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ひかり歯科通信

傷口などから細菌が血液にまわってしまう病気について

今年の夏は例年にも増して暑い日が続きましたが、
睡眠不足、熱中症などに悩まれた方もおられたのではないでしょうか。
今回は、傷口などから細菌が血液にまわってしまう病気についてお話したいと思います。歯科的な話として、口の中の菌が血液に侵入し、菌血症といった一過性の感染から、敗血症という重篤な全身の病気になるお話です。

菌血症とは、例えば口の中の外科的処置(観血処置)によって、血液中に一過性に細菌が侵入して血液中に細菌がまわることを指します。抜歯などを行うと、一時的にどの人も菌血症となります。血中で菌の増殖はなく、大部分は無症状に経過し、菌は身体の免疫力により、10~30分で消失します。ごく稀に、抜歯などの観血処置後に、発熱、発汗、全身倦怠感が一時的にみられることがあります。

傷口から細菌が血液中に侵入しただけの状態を菌血症といい、この細菌感染症が全身に波及してしまった重篤な状態を敗血症といいます。

敗血症になると発熱、顔面皮膚症状、頭痛、けいれんなどの神経症状、頻脈、不整脈などの循環器症状、呼吸数増加、胸痛などの肺症状、食欲不振、便秘、下痢、黄疸などの消化器症状、ショックからの多臓器不全などをひきおこすことがあります。

かつて私が病院の口腔外科で研修をしていた時に、上の顎がパンパンに腫れて、また意識がもうろうとした状態で救急にて運ばれてきた患者さんに遭遇しました。当科にて血液検査をしたところ、CRP(炎症反応の強さの指標)と、白血球数が異常に高値を示していたため、即点滴、入院となりました。上の顎の上部に上顎洞という空洞があるのですが、そこに治療中の歯から入った細菌が感染して、肺にまで菌がまわっていたことが、のちに判りました。その患者さんは、ソフトのプログラミングを仕事とされていた若い方で、上の顎の歯の根の治療をされていたのですが、痛みがあっても暫くほうっておかれていたそうです。というのも、仕事が忙しく、昼夜関係なく不規則な生活をされていたとのことでした。ご本人の免疫がかなり落ちている状態であったため、その傷口から菌が入ってしまい、重篤な細菌感染症をひき起こしました。
このように、治療中の歯をほうっておくと、思わぬ病気を引き起こすことがあります。歯の治療は忙しくても、継続して最後まで治療されることをお願いします。

歯科医師 藤井 伊織

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