銀歯の入った歯の間をフロスしたときや、銀歯が取れてしまったときに鼻をつくニオイがしたという経験はありませんか?
古い修復物や入れ歯に沈着した汚れが原因で、どんなに口内環境を整えても口臭がある場合があります。
なぜ修復物が古くなってくると臭いの原因となるのか、またその対策などをご紹介します。
修復物表面の傷
インレーや銀歯といった銀製の修復物は、表面に肉眼で確認できない細かな傷が付きやすいため、古くなればなるほど表面に無数の傷がついてしまいます。
この傷に口腔内常在菌が付着すると歯ブラシでは完全に落とすことが難しく、細菌が繁殖し、発生する毒素の臭いが口臭となってしまいます。
修復物に付着しやすい汚れ
歯と修復物は、どんなにピッタリに作っていたとしても、ミクロ単位で考えると若干のすき間が生じてしまいます。
細菌はとても小さいため、この歯と修復物の歪に溜まりやすくなり繁殖します。
細菌の宿巣となる「歯垢」が臭いの原因になるのです。
経年に伴う変質
保険適応の修復物に使われる銀は、経年とともに唾液や酸の影響を受けて変質したり錆が起こったりすることもあります。
それが銀歯に凹凸を作り、最近の繁殖や歯垢の蓄積を助長してしまいます。
修復物の接着剤の溶解
修復物は歯と接着するためにセメント(接着剤)を使用します。
銀の修復物は歯質やセメントよりも固いため、日々の咬合圧で修復物の内側のセメントを徐々に劣化させてしまいます。
また、長年の唾液による作用で溶解してしまうこともあります。
そこで修復物と残った歯質に隙間ができ、細菌が侵入したり細菌の温床になることがあります。それ自体も臭いの素になりますし、内側から虫歯になれば、虫歯も臭いの原因になります。
外れなくても装置の入れ替えをする
古くなった修復物は、傷や歪によって汚れや細菌の温床になりやすくなります。
外れた訳ではなくても、新しいものに入れ替えをすることで口臭対策につながります。
マウスウォッシュ
殺菌作用がある製品などを活用し、口内の洗浄をおこなうことで、常在菌の増殖や活動を抑制することにつながります。
清掃補助具
日頃からデンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシ等を活用し、装置周辺を清潔に保ちましょう。
修復物は外れない限り大丈夫だと思いがちですが、古くなった修復物は気づきにくい傷や歪が口臭の引き金となっている可能性があります。
定期的に歯科検診を受けることで、歯磨きで落としきれない汚れの清掃(クリーニング)や、装置の入れ替えのタイミングなどを知ることができます。
セルフケアだけでなく、ぜひ歯科医院を上手に活用しましょう。