
高所恐怖症や閉暗所恐怖症など、世間には様々な恐怖症があります。
なんだか嫌だなというレベルから、失神してしまうまで、恐怖の度合いは様々です。
そんな多種多様な恐怖症の中に、「歯科恐怖症」というものがあることをご存知でしょうか。
本日は、歯科恐怖症の概要や原因、そこから導き出される恐怖症軽減の方法について、お話ししていきたいと思います。
歯科恐怖症とは、歯科治療への強い恐怖や不安から、治療を受けられない状態のことを指します。
歯科医院に行くことに強い不安を感じたり、治療の予約を取るのに気遅れしたり、治療のことを考えるだけでパニックになったりといった精神的な症状が挙げられます。
また、発汗や手の震え、頭痛、めまい、吐き気、動悸、過呼吸、不眠などの身体的な症状が表れることもあります。
歯科恐怖症の原因としては、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
その中でも代表的なものをいくつかご紹介します。
もっとも多い原因がこれです。
幼い頃に無理に押さえつけられた、麻酔がうまく効かずに痛い思いをした、治療中に突然嫌な出来事があった、などの記憶が大人になっても残ることがあります。
記憶は薄れても、身体が覚えてしまっているため、状況が似た環境に接すると、反応が強く出てしまうのです。
キーンと響く機械音、薬品の匂い、強いライト、口を開けたまま動けない姿勢。
これらが「嫌な記憶」と結びつき、条件反射的に恐怖や緊張を呼び起こすことがあります。
音や匂いがスイッチのようになり、「嫌な感じ」が生じてしまいます。
実際に痛い思いをしていなくても、「痛かったらどうしよう」「途中で気分が悪くなったら…」という「予測による不安」が恐怖心を大きくします。
これは現代の患者さんに非常に多く、「情報量が多い時代ならでは」の傾向とも言われています。
まだ入っていないのにお化け屋敷が怖い、始めていないのにホラーゲームが怖い、という人は、この予測不安を感じやすいかもしれません。
治療中は、患者さんが姿勢の自由をほとんど持てません。
椅子が倒れ、口を開けて、器具が口元に近づいても避けられない。
この「自分の身を委ねる感じ」を苦手に思う方が一定数います。
これは性格の問題ではなく、人間が本能的に感じやすい不安です。
痛みに敏感だったり、口の奥に器具が触れるとえずきやすかったりすると、「治療=辛いこと」と感じやすくなります。
無意識に身構えることで恐怖が強まり、結果として歯科恐怖症につながることがあります。
近年の研究では、「歯科での経験そのもの」以外が恐怖症の発症に関わっている可能性が指摘されています。
例えば、病気やケガでのつらい処置経験や手術・入院による拘束感、過去のトラウマ体験、強い痛みを伴う出来事、生活環境による慢性的なストレスといった経験。
これらが、「似た状況に対する過敏な反応」として現れ、歯科治療の場で強い不安を引き起こすことがあります。
つまり、「歯科恐怖症は、気の弱い人がなるもの」ではありません。
その人の人生の中で培われた反応であり、誰にでも起こり得るものなのです。
寧ろ、これまで一生懸命頑張ってきた結果、体が緊張に敏感になっている場合もあります。
歯科恐怖症は、適切なサポートがあれば確実に軽減できます。
医院側の工夫と患者さんの安心が合わさると、驚くほどスムーズに治療できるようになる方も多くいらっしゃいます。
ここでは代表的な方法をいくつかご紹介します。
一番大切なのはこれです。
話してもらえれば、できる工夫が一気に増えるのが歯科医療の現場です。
遠慮せず、率直に言っていただいて大丈夫です。
「次に何をされるか分からない」ことが恐怖を強めます。
治療前に流れを説明し、質問に答えるだけで安心度は大きく変わります。
不安な方には、治療中の声かけを細かくすることも可能です。
表面麻酔・細い針・ゆっくりした麻酔・電動麻酔など、痛みを最小限にする方法があります。
「麻酔が効きにくい」という体質の方にも、追加麻酔や調整が可能です。
緊張が強い方には、治療を小刻みに進めたほうが向いています。
5〜10分治療したら休憩する、今日は検査だけにする、話だけにする。
そんな進め方も立派な医療です。
診療室に入る、椅子に座る、器具を口元まで近づけてみる、といったように、段階的に慣れていく方法も効果があります。
「今日は見学だけ」という患者さんも珍しくありません。
笑気麻酔や静脈内鎮静は、恐怖や緊張を穏やかにし、リラックスした状態で治療を受けられる方法です。
全ての方、全ての治療に必要というわけではありませんが、「どうしても怖い」という場合に検討できる選択肢の一つです。
歯科恐怖症は、あなたの性格の問題でも、気持ちの弱さでもありません。
これまでの人生の中で育まれた、心と身体の反応です。
だからこそ、不安があれば、どうかそのまま伝えてください。
お話しいただければ、医院側は工夫する手段を持っています。
まずは検診だけでも構いません。
お話だけ聞きに来ていただくのでも大歓迎です。
あなたの不安が少しずつほどけていくよう、丁寧に寄り添ってサポートいたします。
一歩を踏み出すお手伝いができれば嬉しく思います。
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