
「食事中に噛んだ瞬間、歯がズキッと痛む」
「何もしなければ平気なのに、噛むと違和感がある」
このような症状で来院される患者さんは、とても多くいらっしゃいます。
多くの方が、初めに「むし歯かな?」と考えますが、診察をしてみると原因はむし歯以外だったというケースも少なくありません。
噛むという動作は、歯だけでなく、歯茎・歯を支える骨・噛み合わせ・顎の動きまで、様々な要素が関わっています。
そのため、噛んだときの痛みは原因の特定が難しく、自己判断で様子を見てしまうことで悪化してしまうこともあります。
本日は、「噛むと歯が痛い」と感じたときに、まず自分で確認してほしいポイントや、様子見してよいケース・受診を急いだほうがよいケース、そして、受診する際に気を付けておくことについて、お話ししていきたいと思います。
噛むと歯が痛いといっても、感じ方やタイミングは人それぞれです。
まずは、次のポイントを確認してみてください。
食べ物を噛んだ瞬間にだけ鋭い痛みが出て、噛むのをやめると落ち着く場合、
・歯にヒビが入っている
・噛み合わせに問題がある
といった可能性が考えられます。
噛んでいないときにも痛みが続く、夜になると痛みが強くなる場合は、
歯の神経や根の先に炎症が起きている可能性があります。
「この歯で噛むと痛い」とはっきり分かる場合、その歯自体にトラブルが起きているケースが多いです。過去に治療した歯も要注意です。
朝起きたときに歯や顎がだるい、噛むと違和感がある場合、歯ぎしりや食いしばりが関係していることがあります。
何年も前に治療した歯が噛むと痛む場合、被せ物や詰め物の劣化、歯の根のトラブルが隠れていることがあります。
ここからは、先ほどのセルフチェックを踏まえて、噛むと歯が痛いときに考えられる代表的な原因を紹介します。
歯に細かなヒビが入っていたり、被せ物・詰め物が噛み合わせに合っていない場合、噛んだ瞬間に強い力が一点に集中し、痛みとして感じられます。
ヒビは見た目では分かりにくく、歯科医院での検査が必要です。
歯の根の先に炎症が起きている「根尖性歯周炎」では、噛むと歯が浮いたような感覚や鈍い痛みが出ることがあります。
疲れたときや体調を崩したときに症状が強くなるのも特徴です。
むし歯が歯の内側まで進行している可能性があります。
初期のむし歯では噛んだときの痛みは出にくいため、しみる症状と噛むときの痛みが重なっている場合は注意が必要です。
歯周病が進行すると、歯を支える組織が弱くなり、噛んだときに痛みを感じることがあります。
痛みが出たり治まったりを繰り返すのも歯周病の特徴です。
歯ぎしりや食いしばりによって、歯や歯の周囲の組織に慢性的な負担がかかり、噛んだときの痛みにつながることがあります。
次に、噛んで痛みを感じる場合、どの程度緊急性があるのかについて触れていこうと思います。
・痛みがだんだん強くなっている
・歯茎が腫れている、膿が出る
・歯が浮いた感じが続く
これらは、自然に治る可能性が低く、放置すると症状が悪化することが多いサインです。
・数日で改善する軽い噛みづらさ
ただし、「様子見でよいかどうか」の判断は難しいため、不安がある場合は歯科医院での確認をおすすめします。
つまり、「様子見でいい」と手放しで言えるパターンは、あまり多くはありません。
噛むと歯が痛い原因の多くは、見た目で診断が難しい場合も多く、レントゲン検査や専門的な診察を交えることがよくあります。
しかし、症状が軽いうちにしっかりと検査して原因を発見できれば、歯を削る量を最小限に抑えたり、歯を残せたりする可能性も高くなります。
また、「痛みが引いた=治った」わけではありません。
受診予約のキャンセルのお電話で、「痛みが無くなったので」と言われる患者さんが時折いらっしゃいますが、多くの場合は、原因自体は解消していません。(むし歯の悪化で神経が壊死して痛みを感じなくなったパターンなど)
そのため、取り越し苦労であったとしても、違和感を覚えたら、これを機にと受診することがおすすめです。
受診予約をした後は、受診までに、次の点に気をつけましょう。
・痛みのある側で噛まない
・指や舌で触って確認しない
・痛みが強い場合でも、自己判断で放置しない
無理に使い続けることで、症状が悪化する可能性があります。
噛むと歯が痛い症状には、むし歯だけでなく、歯周病、歯のヒビ、噛み合わせ、歯ぎしりなど、様々な原因が考えられます。
原因によって対処法は大きく異なるため、早めに歯科医院で診断を受けることが大切です。
主な疾患については、こちらで詳しくご紹介していますので、ぜひご一読ください。
⇒コラム「噛むと痛い時に考えられる原因」
歯医者は「痛くなってから行く場所」ではなく、歯の健康を守るための場所です。
気になる症状がある場合は我慢せず、どうかお気軽にご相談ください。
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