舌にこびりついて口臭の原因の6割ともいわれている「舌苔(ぜったい)」。取り方を間違えると、さまざまな逆効果を生んでしまうこともあります。そこで、歯科衛生士が伝授する「正しい舌磨き」を参考にしてみてくださいね。
舌の表面は拡大すると、表面の組織がじゅうたんのようにデコボコしています。その凹凸部分に食べかすや舌粘膜から剥がれた細胞などが付着します。これらのたんぱく質をエサにする細菌が出す副産物が「舌苔」です。舌苔はこびりついて落ちにくくなってしまいます。
◯舌苔磨き ゴシゴシはNG!
凸部分の先端は舌乳頭といい、ゴシゴシと強く磨くと傷つけてしまいます。舌磨きをし過ぎると舌乳頭が角質化して白く硬くなってしまい、舌苔が余計に取れにくくなってしまいます。磨くときは舌ケア専用の補助具を用いて優しく動かすのがポイント。
舌ケア法をかかりつけの歯科に相談するのがおすすめです。
「舌ブラシ」は舌苔を効果的に取り除くための専用ブラシです。舌表面を歯磨きのついでにと歯ブラシで擦ってしまうと舌を傷つけてしまうため、舌苔ケアには専用ブラシを使うようにしましょう。
◯舌ブラシの使い方
舌磨き専用のブラシは、歯ブラシに比べて細くて柔らかい毛先やゴム状の先端部になっており、舌の表面を傷つけない形状になっています。力は入れずに軽く表面をなぞるようにして使用しましょう。
◯使用頻度
舌は磨き過ぎもNGです。先にご紹介したように、舌組織の表面にある舌乳頭を刺激し過ぎるのは、組織を固くしてしまう原因になります。1日に1回以上は使用しないようにしましょう。
1:舌をできるだけ前に突出させましょう。
2:舌磨き専用ブラシを軽く持って、舌の表面に当てます。この時、どこにどの角度で当たっているのか、きちんと鏡で確認しながらおこないましょう。
3:力を入れずに、ゆっくり前に掻き出す様に数回ブラシを動かしましょう。
4:使用後はブラシをきれいに流水で洗い、風通しの良い場所で清潔に保管しておきましょう。
口臭対策として舌苔ケアをおこなう場合、やりかたを誤ると舌苔が付きやすい舌になってしまったり、余計に口臭が強くなってしまったりすることもあります。舌磨き専用のブラシを使って正しい用法でおこなうためにも、道具選びやケア法などをかかりつけ歯科に相談されるのがおすすめです。